他の教科の授業がまだ黒板とチョーク、紙と鉛筆で行われた頃、音楽の授業ではCDを聴いたり、電子楽器を使ったり、パソコンで音楽を作っていました。当時、音楽は非常に電子テクノロジーを活用した教科でした。
しかし、近年、他の教科のICT化が進み、デジタル教科書などの開発・研究が盛んに行われているのと比べて、音楽の授業でのICT化はあまり進んでおらず、全教科の中で最もICT化の遅れた教科になっています。そして、その原因は、制度上の問題、先生たちの意識の問題、アプリ等も自由に活用できないという現状、学校の予算や音楽室のネット環境の問題など、さまざまに要因が入り組んでいると思われます。
そこで、学校=フォーマルな音楽学習に対して、比較的自由度の高いインフォーマルな音楽学習の場である音楽教室(深見友紀子ミュージック・ラボ)、および京都女子大学発達教育学部児童学科においてICTを活用した音楽実践例を蓄積し、示していきたいと願って、ICT Music Sessionを始めることにしました。
学校教育におけるICT活用という側面では、音楽科は最も遅れていますが、同時に、一般社会の音楽実践におけるICT活用という側面では、教育は軽んじられており、また、学校外のさまざまなICT活用教育実践においては、音楽や音楽力は軽視されがちです。この悪い状況を少しでも打破できればと考えています。 音楽教室、教員養成大学などでのアプリや電子機器の活用をお考えの方、是非お声をかけてください。 また、数こそ少ないものの、学校での事例も収集していきたいと考えています。 どうぞよろしくお願いします。
深見友紀子 2015年1月1日