教える側がピアノを弾くこと、子どもと関わること、レッスンを行うことを楽しめれば、子どもたちもピアノを弾くことが楽しくなり、ピアノが好きになります。もし子どもとの関わり方やレッスンの進め方で困ったことがあれば、施設の職員や指導教官に相談したり、一緒に活動をしている人がいればその人に悩みを打ち明けると、考えを変えることができたり、気分が楽になるでしょう。
ピアノレッスンボランティアは、子どもにピアノを弾くことの楽しさを伝えることを目的としています。そのため、子どものピアノ演奏技術の向上が不可避であるプロのピアノ教師よりも、飽きずに楽しんでピアノレッスンを受け続けられることを最優先にして、子どもの好きな曲や弾きたい曲をレッスンで取り上げます。発表会後のアンケートでも、全員が「レッスンを受けてよかった」と回答していて、その理由に「好きな曲を弾けたから」と書いた子どもたちが多数いました。
ボランティアが所有する楽譜と大学研究室にある楽譜、さらには「ぷりんと楽譜」などを使用しました。
注)「ぷりんと楽譜」〜1曲ずつ楽譜を購入できるサイト。楽譜のサンプルを見ることができるため、難易度がそれぞれの子どもの音楽力に合っているか確認することができる。
レッスンボランティアはレッスンごとに記録をとり、指導教官に報告します。指導教官は、次のレッスンに向けて、楽曲、指導方法などについて方向性を示唆し、ボランティアの疑問点を解決します。
発表会の実施により、さらに意欲的に練習に取り組むようになり、ピアノを弾くことを楽しんだ上で技術の向上も見られるようになりました。本番前は人前で演奏することを不安に思う子どもも多くいましたが、終わってみると全員が満足そうな表情を浮かべていて、人前で演奏したり、他人の演奏を聴いたりする楽しさを実感できたようでした。職員を対象としたアンケートでも、発表会に対してはすべてが肯定的な意見でした。