まず自分の声を知ろう

「高い声を出すにはどうしたら良いの?」

「高い声を出したい」というのは、多くの人が持っている願いでしょう。でも、その前に自分の声についてよく知ることから始めましょう。

人間の声には、大きく二つの声の出し方があります。普段話しているときの声: 表声(重い声)と、高い方の声: 裏声(軽い声)です。歌うときは、この二つの声の出し方を使い分けながら歌っています。

では、表声と裏声を出してみましょう。

  • 表声: 気取ったりしないで、友達に話しかけるように「おはよう!」と言ってみましょう。
  • 裏声: ちょっとセレブ気取りで「あ~ら、奥様っ!」と言ってみましょう。

次に、自分でピアノを弾きながら、表声で下のソ(中央ドの4度下のソ)のあたりからだんだん高い音に上がっていくと、途中で表声では出なくなって、声がヒックリ返ってしまうところがあることに気づくでしょう。これより上は表声で出すには無理がありますから、裏声を使う必要があります。このように、裏声に変えてあげることで、高い音域を歌うことができるようになります。

女性ではレ~ラあたりで裏声に変わる人が多いようです。

この変わり目をブレイクと呼ぶことがあります(ほかにチェンジなどの呼び方もあります)。まるで壊れてしまったかのように、声がひっくり返ったりするからです。歌の上手な人は、あまりこのブレイクを意識しないで、使い分けることができている人も多いかもしれません。でも、自分がどの辺りが変わり目かということを知っておくことは、歌う時に、とても大切です。自分の声の特徴をよく知っておくことは、声を磨く上で、ぜひ押えておいてほしいことです。