保育者養成機関の学生たちのピアノや弾き歌いの能力は千差万別です。入学するまで一度もピアノのレッスンを受けたことがなく、大学に入って初めて練習する学生も少なからずいます。
ピアノ演奏が得意でない人がピアノでポップなリズム感をつくり出すのはなかなか難しい…。一方、吹奏楽部や軽音部などでドラムや電子ドラム(各種打楽器)を演奏した経験がある(女子)学生は増えています。
そこで、ピアノ+電子ドラムで、子どもの歌をよりポップにする試みを行いました。
ここでは、2人の保育者が協力して伴奏することを想定し、以下の3曲を演奏しました。
それぞれの曲につき、多くの保育者がすぐ取り組めるような簡単バージョン=初心者用、演奏経験があり、音楽が得意な保育者に向けた難易度が少し高いバージョン=経験者用、2パターンの試作版をつくりました。ドラマーの鈴來正樹先生からのアドバイス、京都女子大学発達教育学部児童学科2回生の意見を参考に改訂し、完成版をつくました。
初心者用ではドラム初心者がすぐに演奏できるように、手と足で同じリズムを刻むか、手がある時は足を無くすといった工夫をしました。前半は1、3拍にバスドラムを踏み、後半はバスドラムとスネアドラムを同時に演奏し、マーチ風になっています。
経験者用では、この曲の雰囲気をつくっている“タッカのリズム”を大切にし、「ピチャチャチャ」「トロントロ」といったオノマトペをドラムで補強した他、フィルインも難しくしました。
初心者用に対して「乗りやすい!」「一定のリズムがあり楽しそう」「取り組みやすそう」との意見がある一方で、「単調すぎる」「躍動感を感じない」といった批判も多くありましたので、少しタッカのリズムを取り入れ、躍動感を出しました。
経験者用については、イントロを長くして、子どもたちが手拍子で参加できるようにしました。「ピアノ音がかき消されている箇所がある」という感想もあったので、クラッシュシンバルを控えめにするなど、工夫してみました。
このようにして完成したのが以下の楽譜と演奏です。
動画URL:https://youtu.be/6_EH4mQHvH4
動画URL:https://youtu.be/1BTdO6D4RFI