活動コレクション
平成21年度 児童学科前期公開講座
レクチャー「児童学科(音楽)が取り組んでいること」(深見友紀子)
京都女子大学発達教育学部児童学科の公開講座に来ていただき、ありがとうございます。
本日講師としてお招きしましたのは、NHK教育テレビ「あいのて」にレギュラー出演していた音が大好きな三人組「あいのてさん」のうち、黄色の“あいのてさん”、片岡祐介さんと青の“あいのてさん”、尾引浩志さんです。
赤の“あいのてさん”、野村誠さんは、2001年から3年間、児童学科の音楽の先生(私の前任者)をしていた方です。残念ながら、きょうはイギリス滞在中で出演していただけないのですが、その分、黄色の“あいのてさん”、青の“あいのてさん”の魅力をたっぷりお楽しみいただきたいと思います。
さて、さっそくワークショップ・コンサートに入りたいところですが、その前の少しの時間を頂戴して、児童学科の音楽教育についてお話しします。
児童学科(音楽)が取り組んでいるのは以下の4つです。
- 基礎的な音楽力(ピアノ、歌唱、弾き歌い)の育成
- 幼児の音楽活動の企画・指導実践力の育成
- 子育て・地域支援活動への積極的参加
- アーティストと触れあう機会をもつこと
一つずつ簡単に説明しましょう。
基礎的な音楽力(ピアノ、歌唱、弾き歌い)の育成
基礎的な音楽力(ピアノ、歌唱、弾き歌い)の育成については、限られた授業(レッスン)時間、入学前にすでに生じてしまっているピアノ実技力の差といった問題を解決するために、平成20年度にeラーニングを導入しました(平成18・19年度科学研究費補助金基盤(C)研究課題(課題番号18500742)研究代表者 深見友紀子)。
ご覧いただいているのが、eラーニングコースのトップページです。
このサイトは広く一般に公開しており、グーグルなどで「ピアノ eラーニング」と検索すると、現在トップにランキングされます。機会があれば是非閲覧してください。
このサイトでは、代表的な子どもの歌7曲をサンプルに、ピアノ弾き歌い模範演奏、歌唱の模範演奏映像、注釈付き楽譜、より良い歌唱のためのアドバイスを掲載しています。
ピアノ弾き歌い模範演奏では、3つのアングルから模範演奏を視聴することができます。
ご覧いただいているのが、PDFとしてアップロードしている注釈付き楽譜です。
児童学科の学生たちは、2、3年生において、このサイトを視聴して学習するとともに、練習室の録画装置を使って自分のピアノ弾き歌い演奏を録画し、自主練習に励んでいます。
このシステムに関する研究は、国際的にも評価され(「15th International Conference on Computers in Education (Supporting learning flow through integrative technologies)」(2007))、さらに2011年度まで継続する予定です(平成21〜23年度科学研究費補助金基盤(C)研究課題(課題番号21500964)研究代表者 深見友紀子)。
- 平成21〜23年度の研究計画 [PDF形式, 18KB]
幼児の音楽活動の企画・指導実践力の育成
次に、幼児の音楽活動の企画・指導実践力の育成を目指して、
- オペレッタ・手遊びの実践
- 絵本に音楽をつける活動
- 手づくり楽器制作
などに取り組んでいます。
オペレッタ・手遊びの実践
オペレッタづくりの様子です。
絵本に音楽をつける活動
絵本に音楽をつける活動は、絵本の読み聞かせの一つのヴァリエーションとして、電子鍵盤楽器に親しむための、音楽の役割に注目するための方法として行っています。
手づくり楽器制作
手づくり楽器の数々です。かわいらしく凝った装飾物が多くなっていますが、最近では素材をそのまま使い、音そのものを追求しようという実践も行っています。
子育て・地域支援活動への積極的参加
子育て・地域支援活動としては、
- 京都やんちゃフェスタ
- こどもひろば
- 音楽隊・手づくり楽器隊
- 児童養護施設へのピアノレッスン
などが挙げられます。
京都やんちゃフェスタ
京都やんちゃフェスタは毎年10月の最終土曜日に、梅小路公園で行われている児童館学童連盟主催のお祭りで、児童学科はこれに毎年参加しています。
こどもひろば
こどもひろばは、2006年から始めた児童学科主催の行事です。京都やんちゃフェスタ同様、3年生が主体となり、11月第一週目の週末、大学の校舎を文字通り“子どものひろば”に変えて、人形劇、音楽隊公演などを行っています。
音楽隊・手づくり楽器隊
音楽隊は、2006年、楽器(特に管楽器)演奏が好きな3年生により結成されました。その後、次年度の3年生へと引き継がれ、公演回数も増えてきました(2006年〜8回、2007年〜9回、2008年〜21回)。現在、四期生音楽隊が活動中。手遊び、ゲーム、クイズ、手づくり楽器制作などを取り入れることによって、音楽大学(音大生)のアウトリーチ活動との差別化を図っています。
児童養護施設へのピアノレッスン
児童養護施設でのピアノレッスンボランティアは、2008度から始めました。ピアノ演奏が得意な学生が週末に「京都大和の家」を訪ね、子どもたちにレッスンし、11月には発表会を開催しました。2009年度は「京都大和の家」に加えて、「平安養育院」においてもレッスンを行っています。学生が児童養護施設の子どもたちに対して定期的にレッスンを行っているのは全国的にも珍しい事例であり、子どもの心に寄り添うことができる児童学科の学生ならではの取り組みであるといえます。
「京都大和の家」での発表会の様子です。
アーティストと触れあう機会をもつこと
さて、最後に、児童学科での指導をさらに強力なものにするために、授業を担当してもらっている個性的なアーティストを紹介します。
画家・ミュージシャンの林加奈さん
(2年生後期「保育内容指導法6」2組)
作曲家でリズムパフォーマーの岡田加津子さん
(2年生後期「保育内容指導法6」1組)
作曲家で手づくり楽器の専門家である河合正雄さん
(3年生前期「保育研究法」1・2組)
そして、本日は、特別講師として、片岡祐介さんと尾引浩志さんにお越しいただきました。どうぞよろしくお願いします。
ワークショップ・コンサート(片岡祐介・尾引浩志)
ワークショップ・コンサートのプログラム
- あいのてさんのミニライヴ
- ストロー笛のつくりかたの説明→「アラビアン・ストロー・ナイト」
- Mr.フランソワ・フランスによる「なんちゃって音楽」
- メキシコ〜モンゴル〜ジャマイカ〜北朝鮮〜オランダ
- なんちゃって雅楽・なんちゃってブルース(片岡+学生)
- ふうせんを使って〜「風船ワルツ」
- レジ袋を使って〜「レッツゴー・レジ袋」
- 石を使って〜「イシ・テクノ」
- ペットボトルを使って〜「ペットボトル・メモリー」
受講者(児童学科学生)の感想
- ワークショップ・コンサートに寄せられたコメント [PDF形式, 19KB]