1回40分のレッスンでは、ベーシック教材と並行して、自分の希望するレパートリーを仕上げます。
レパートリー決定に際しては、インターネットなどを使って楽譜の有無を調べ、習熟度に合った楽譜に修正することや、新たに採譜・アレンジすることもあります。
特に希望するレパートリーがない時期には、少し簡単なレベルの曲をたくさんこなすことなどを通じて、読譜力、指のテクニックなどを強化します。
目で楽譜を読み(視覚)、楽譜上の約束事(音符の高さや長さ)をピアノ鍵盤上で具体化し(触覚)、奏でた音を耳で聴いて確かめ(聴覚)、時には歌いながら演奏する―あらゆる音楽活動、楽器演奏の基盤となるピアノ演奏の基礎力の育成が第1の目標です。
流れる時間の中で思考し、瞬時に音を修正・変容させつつ表現していくという一連の行為を通じて、学習、生活などのあらゆる面で生かせる思考力、集中力、即興力などを育成することが第2の目標です。
“声を出して読む”、“手を動かして憶える”といった行為の効用が盛んに言われていますが、そのほとんどが暗記の方法や、脳の活性化を目指しているものです。それに対して、最終目標を音楽による自己表現とするピアノレッスンは、語感を大切する言語表現などと似た効果を発揮します。
開業以来四半世紀、ミュージック・ラボで学んだ子どもたちの多くが、スタンフォード大学、東大、早慶をはじめとする有名大学に進み、医師、建築家、会計士、デザイナーなどになっています。
ミュージック・ラボでは、それぞれのハードルをクリアした達成感や周りから賞賛されたという「成功体験」を得る機会として、「ピアノパーティ」(2017年より PIANO PARTY with Digital)を位置づけています。
子どものピアノレッスンにおける基本教材は、以下のとおりですが、生徒さんのご希望により、別の教材を使用する場合もあります。(2023年1月現在)。
オルガン・ピアノの本をVol.4まで終えた後、バイエルの60番以降、ブルクミュラーなどに進み、適宜、ギロックなども使用しつつ、プレインベンションなどにつなげます。バイエルやブルクミュラーは古臭い教材であるという批判もよく耳にますが、ピアノの定番曲を弾きたいという根強いニーズに応えるための基礎教材として使っています。
受験期などを中心に、楽しくポップス曲を弾きたいというニーズにも対応します。その場合も、オルガン・ピアノの本Vol.4までは基礎としてとらえています。
他の教室から移ってくる生徒さんの場合も、調整期間を経て、ほとんどこのプロセスに入っていただいています。
小学校高学年以降に始められる方、中学生・高校生、大人の方々の場合は、細やかに相談してテキストやレパートリーを選択し、レッスンをしています。
現在、採用試験の課題曲として出題されているバイエル、ブルクミュラー、ソナチネ、小学校共通教材の弾き歌い楽譜などを状況に合わせて使用しています。
ピアノ弾き歌いの楽譜集として「子どものうた弾き歌いベスト50 注釈付き」(音楽之友社)など、参考書として「苦手意識が消える! 保育士・幼稚園の先生のためのピアノ克服法」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)、「この一冊でわかる楽典と音楽実技: 保育士、幼稚園・小学校教諭を目指す人のために」(音楽之友社)を使います。