平成17年度前期「保育研究法」 〜 絵本に音をつける活動
「保育研究法」の授業のなかで、大学にあるCASIO製の電子キーボードを使って絵本に音楽や音を付ける実践をしました。一部を紹介します。
■ 保育者にとって 〜 絵本の読み聞かせの1つのヴァリエーション
■ 学生にとって 〜 鍵盤に親しむための1つの方法
使用するのは、CASIO製の電子キーボードに内蔵している音(簡単な演奏)、リズム、ソング(既成曲)
★「ぼちぼちいこか 世界の新しい絵本 23」
〜登場するさまざまな職業を電子キーボードで表現する
マイク・セイラー (著) ロバート・グロスマン (イラスト) 今江祥智 (翻訳) 偕成社
のんびり、おっとりのカバくんがいろんな仕事に挑戦する。「ぼく、消防士になれるやろか。」でも「なれへんかったわ。」「船乗りはどうやろか。」と意気込んでも「どうもこうもあらへん。」「ピアニストになるちからはー ありすぎやったな。」
他にも、パイロットにバレリーナにカウボーイ、サーカスのつなわたりに、飛び込みの選手、果ては宇宙飛行士にまで挑戦するも、あえなく失敗。エアブラシを巧みに使ったカバくんのイラストはユーモアにみちて、重量級のカバくんをとても愛らしいものにみせている。また、邦訳の関西弁がなんとも味わい深く、この世界観を盛り上げる。
「どないしたら ええのんやろ。」と途方にくれたカバくんは、ここらでちょっと一休み。
そんなカバくんの、あくせくしないで、ゆっくり自分をみつめようよというメッセージは、子どもだけでなく大人の心をも癒してくれるはず。「ま、ぼちぼちいこかーということや。」(小山由絵)
★「ひとりでうんちできるかな あかちゃんのあそびえほん (4)」
〜うんちやトイレの水を流す音などを電子キーボードで表現する
きむらゆういち 偕成社
★「しろくまちゃんのほっとけーき こぐまちゃんえほん」
〜ホットケーキがだんだん焼けていく12の工程の擬音を電子キーボードでさらに効果的に
わかやまけん(著) こぐま社
しろくまちゃんが、お母さんと一緒にホットケーキを作るお話。1970年の発売以来ロングセラーを続ける「こぐまちゃんえほん」シリーズのなかでも、特に人気の1冊。
冷蔵庫から卵を取り出して(1個、割れてしまうけれど)、牛乳をいれてよくかきまぜる。ふわふわの小麦粉とふくらし粉を加えてまぜたら、さあ、フライパンへ。この後が、この絵本最大の見せ場。ホットケーキがだんだん焼けていく12の工程が、楽しい擬音とともに見開きページにずらりと並んでいる。
「ぽたあん」と白い生地を落して、表面が「ぷつぷつ」してきたら、生地は黄色く色づいている。「しゅっ」「ぺたん」とひっくり返せば、今度はこんがりきつね色。「ふくふく」とふくらんだら、「ぽいっ」とお皿にのせて、できあがり。お友だちを呼んで、なかよく食べたら、お皿洗いも、自分でやろう。
この本を開くたび、きっとホットケーキを食べたくなる。子どもと一緒に、本を見ながら作ってみたい。0〜3才向け。(門倉紫麻)
★とりかえっこ 絵本のせかい 21
〜動物の鳴き声などを電子キーボードで表現する
さとうわきこ(著) 二俣英五郎(イラスト) ポプラ社
「あそびに いってくるよ ぴよ」。あたたかな日ざしにさそわれて、あそびに出かけた森のひよこ。ばったり出会ったねずみさんと、大事なものを “とりかえっこ” する。ひよこなのに、ひよこじゃない? ねずみなのにねずみじゃない! おもしろくなって、ひよこはぶたさんとも、かえるさんとも “とりかえっこ”。それを見て、ぶたさんやかえるさんの家族はびっくり仰天、でも “とりかえっこ” したおかげで、ひよこは危ないところを救われる。
ささやかだけど、とっても愉快なひよこの冒険ものがたり。淡く、深い色づかいと、やわらかな筆はこびで読み手をしあわせな森の世界へといざなう絵は、ニ俣英五郎の作。ページのすみっこに、ひっそりと咲く野草、木々のこずえから顔をのぞかせる虫たち。ディテールまで丁寧に描きこまれた絵に、さとうわきこの短い文が映える。たっぷりあそんで、まんぞくげに帰ってきたひよこのひとことに、目をまるくするおかあさんの表情は必見。全国学校図書館協議会「よい絵本」選定図書、第1回絵本にっぽん賞受賞。子ども(小学校低学年)から大人まで繰り返し楽しめる1冊。絵のふちに隠された、めくり絵にも注目!(嶋田あひる)
★あのおとなあに? 児童図書館・絵本の部屋
〜聞こえてくるさまざまな音を電子キーボードで表現する
フランチェスカ サイモン (著) その他 評論社
★ぞうくんのさんぽ こどものとも傑作集 (13)
〜愉快な散歩の様子を電子キーボードで表現する
なかのまさたか 福音館書店
★あながいっぱい!えほん、よんで!
〜あながあったら、どうする? という自作のうたをつくって、電子キーボードの伴奏で歌う。
みやもとただお あかね書房
ぶたくんは、「あながあったら、ぷーっとふきたいな。」と言います。どうしてかな? じゃあ、ワニくんはどうしたいのかな? ゾウさんは? いろんな動物たちの好奇心をかきたてる「あな」がテーマの楽しい絵本。
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