私たち〈あいうえおんがくたい〉の代表曲ともいえる「きらきら星」。
誰でも知っている童謡ですね。
「♪ドドソソララソ~」で始まる優しいメロディが、とても有名です。
この「きらきら星」は、フランス民謡である「あのね、お母さん」という曲が元となっています。
この曲のメロディに、イギリスの詩人ジェーン・テイラーの詩を歌詞としたものが、童謡「きらきら星」です。
モーツァルトもこの曲のメロディに魅せられて、「きらきら星変奏曲」を作曲しました。
シンプルで親しみやすいメロディは、保育や教育の現場にも広く取り入れられ、「ABCの歌」として子どもの語学学習にも使われています。
古くから多くの人々に親しまれてきた童謡「きらきら星」ですが、私たちの演奏する「きらきら星」は一味違います。
この「きらきら星」は、日本の音楽プロデューサーTeddyLoidさんによる、リミックスアレンジなのです!
https://youtu.be/ipmqTX8bOcY
聴きなれた「きらきら星」とは、かなり違った印象を受けた方も多いのではないでしょうか。
そこで、京都女子大学の学生251名に対してアンケートを実施し、この曲を聴いた感想や、童謡のアレンジに対する意見などをまとめました。
(アンケート対象者内訳:文学部82名、発達教育学部105名、家政学部31名、現代社会学部29名、法学部3名、無回答1名)
多くの学生が、この「きらきら星」のアレンジに好感を持ったようです!
「斬新だ・新鮮だ」
「楽しい・わくわくする」
「色々な楽器の良さが感じられる」
といった回答が多く挙げられていました。
これまで童謡にはあまり使用されてこなかった電子のサウンドを取り入れたことによって、原曲のイメージを覆すような新鮮さを感じた学生が非常に多かったです。
また、ノリの良さやや予想のつかない曲展開に対して、楽しさやわくわく感があったようです。
管楽器やグロッケンといった生の楽器の他、エレクトーンや、ショルダーキーボード、ハンドソニックといった少し珍しい楽器も使われており、様々な楽器や音に対して興味を持った学生も多かったようですね!
一方で、次のような否定的な意見もありました。
「原曲のイメージと違いすぎる」
「曲が長すぎてしつこく感じる」
「子どもに聴かせるべきでない」
シンプルで優しいイメージの原曲とのギャップに、違和感を覚えた学生がいました。
アレンジされた童謡ばかりを耳にして、子どもが元の童謡の良さを知らないままになってしまうことへの心配から、“子どもに聴かせるべきでない”という意見も挙がりました。
原曲の良さを残したアレンジを求める学生もいるようです。
こちらの質問にも、肯定的な回答が多くありました。
肯定する理由として、
「楽しい・わくわくする」
「斬新だ・新鮮だ」
「音楽への興味が広がる」
というものが多かったです。
①の回答と同様に、童謡にリミックスアレンジを加えたことで、楽しさや新鮮さを感じられたようです。
“音楽への興味が広がる”理由としては、聴きなれた童謡をリミックスアレンジすることで、リミックスアレンジの意外性がおもしろいこと、今まで知らなかった音楽や楽器に触れられることなどが挙げられていました。
一方で、次のような反対意見もありました。
「原曲の良さを残したアレンジであるべき」
「聴き手が原曲を知っている上でのアレンジであるべき」
「アレンジを加える曲による」
アレンジされた童謡が数多く出回ることで、元の童謡の良さが廃れていってしまうのでは、と心配する声が多かったです。
どこか原曲の良さや雰囲気が感じられるアレンジを望む学生がいるようです。
また、リミックスアレンジによるおもしろさや斬新さを最大限引き出すためには、「きらきら星」のように、誰もがよく知っている曲であるということが重要だと分かりました。
よく知っている童謡なのに違って聴こえておもしろい!というリミックスアレンジの魅力を伝えるうえで、選曲は大切なポイントであるようです!
今回「きらきら星」を選曲した理由の一つには、著作権が消滅しているもの、つまり誰でも自由に作品に手を加えられることが挙げられます。
アレンジを加えた曲を公に発表したい場合などには、著作権が発生しない楽曲かどうかも重要なポイントです。
「きらきら星」のリミックスアレンジを聴いてみて、他にもリミックスアレンジが似合いそうな童謡を挙げてもらいました。
第1位 森のくまさん
第2位 どんぐりころころ
第3位 おもちゃのチャチャチャ
第4位 犬のおまわりさん
第5位 かえるのうた
最も多く挙がったのは「森のくまさん」でした!
明るく軽快な曲なので、リミックスアレンジがよく似合いそうだという声が多かったです。
童謡のもつ楽しい雰囲気が、リミックスアレンジを加えることによってより引き立ちそうですね!
誰でもよく知っているシンプルな童謡の良さとリミックスという現代的な手法の良さ、両方を感じられるのが、〈あいうえおんがくたい〉の「きらきら星」の魅力であると分かりました。
童謡にリミックスアレンジを加えることで、聴きなれた童謡に新鮮な楽しさが感じられること、色々な楽器や音楽への興味に繋がるようです。
保育や教育の現場ではまだ馴染みの薄いリミックス音楽ですが、子どもたちにもリミックス音楽ならではのおもしろさを伝え、子どもたちの音楽への興味をもっともっと広げていきたいですね!