〈あいうえおんがくたい〉はどのようにして「たった10人で!!」豪華なサウンドを創り出しているのか、その秘密に迫っていきたいと思います!
まずは、『アラジンメドレー』です。この楽譜は海外の出版社「Hal Leonard/ハル・レナード」から出ているもので、私たちが今までに演奏した楽曲の中でも難易度がトップクラスです。28パートで構成されているので本来なら30人ほどの人数が必要なのですが、いったいどのようにして演奏しているのでしょうか…!?
例えば…
47小節目~54小節目 トロンボーン
アラジンメドレー2曲目『Friend Like Me』の最初の部分です。
ジャズ調で金管楽器の響きが印象的な曲ですね!
この部分のトロンボーンは、譜面通りに演奏するとホルンと同じ音になるため、中音域から低音域に音を下げて演奏をしています。
管楽器パートが互いに足りない音域や響きを補って演奏することで、限られた楽器数にもかかわらず、厚みのある演奏をすることが可能になります。
例えば…
133小節目~139小節目 ハンドソニック(8分音符=シェイカー、4分音符=タンバリン)
この曲では、Percussion2の楽器(Suspended Cymbal、Antique Cymbals、Gong、Tambourine、Wood Block、Whistle、Ratchet、Triangle、Mark Tree、Shaker)を全てハンドソニック1台で演奏しています。
『A Whole New World』で最も盛り上がるサビの部分ですが、8分音符でシェイカーの音を刻むところに、タンバリンの音を2拍目・4拍目に付け足しています。
音を増やすことで、サビ部分の盛り上がりを表現することができます。
電子打楽器パートでは、電子ドラムとハンドソニックの2台で互いに音の種類やリズムを変えることによって、幅広い打楽器の響きを創り出しています。
『小さな世界』では、曲の中盤で楽器紹介の時間を取り入れています。(発案者:北村 菜那)
曲の中盤で楽器紹介を取り入れることができるのは、使っている楽器の種類が少ないからこそだと思っています。
そのオリジナルの楽器紹介をご覧ください!
(セリフが入るところから小さな世界のメロディーに戻るところまでが私たちの楽器紹介です。)
【〈あいうえおんがくたい〉オリジナルの楽器紹介】
https://youtu.be/CaUPTWb2Fpg
これまでにも、演奏会のプログラムの中に楽器紹介のコーナーを設けることもありましたが、どうしても間延びしてしまい、中には退屈そうな子どもの姿も見られました。曲中に入れることで、音楽を楽しみながら各楽器の音をしっかりと聴くことができます。
ここで、楽器紹介を取り入れた際の工夫点を4つご紹介します!
その① グループに分けて紹介する
楽器紹介は1つずつ行うと時間がかかってしまうので、5つのグループに分けて行っています。
その② ドラム&ハンドソニックの紹介を最後にする
最後をドラムとハンドソニックの紹介にすることで、楽器紹介から本来のラストへスムーズに移行することができます。
その③ 各曲の調を揃える
楽器紹介では上記の4つの曲を使っていますが、調を統一することで曲のつなぎを自然にしています。
その④ ドラムをサンバ調に
楽器紹介で使用している曲は、全てサンバ調に統一しています。サンバと言えば大切なのが打楽器!電子ドラムがサンバのリズムで全ての曲に参加することにより、その雰囲気をより表現することができます。
一般的に吹奏楽で使用されている管楽器、打楽器などのアコースティック楽器は同時に1つの音・1種類の音しか出すことができません。そのため、メンバーや楽器の不足で音楽活動を諦めている方も多いのではないでしょうか…
私たちは、様々な楽器の音を再現することのできる電子楽器・電子打楽器を活用したり、アコースティック楽器同士で音の響きが良くなるように工夫したりすることで、足りない楽器やサウンドをカバーしています。私たちの活動とこの研究が、保育者の方々や保育業界を目指す学生のみなさんの参考になれば嬉しいです!
参考楽譜・演奏
・『Aladdin (Medley)/アラジン(メドレー)』 Hal Leonard/ハル・レナード
https://www.youtube.com/watch?v=K0yZ4xJDp9s
・『小さな世界〔20人の吹奏楽 スマートスコア〕』 株式会社ウィンズスコア